日本銀
…「日本から流入した銀」。
日本
…「太陽の昇る所」。
cf. 日本は「ひのもと」で、「太陽の昇る所」(中国から見た方向。このもとは「元」
でなく「本」で、場所を意味するので、ヤマトの「ト」と重なる)の意味を持ちつつ、
大和の枕詞(つまり、「ひのもとの 大和の…」のように、歌などで使う言葉)に由
来するという説がある。
倭も大和も日本も「やまと」と読ませるが、漢字の読み方ではなく完全な当て字。
大和の大は「偉大な、大いなる」の意味で、和は蔑称の倭を避けつつ「狭い国土(平
野、盆地)なのだから、和を大切に」のニュアンスも込められたものか?
日本という国号が初めて登場する史料は、中国の正史『旧唐書』(くとうじょ)と
『新唐書』(宋の欧陽 脩らによる『唐書』のこと)。「702年の遣唐使が、日本という
新しい国号を唐(ただし当時は、則天武后が唐を中断させた周の時代)へ伝えた」と
いう記述。国号の由来は「太陽が昇るところ」、国号の変更理由は「雅でない倭国の
名を嫌った」と説明されている。
興味深いのは、国号を変更した事情についてそれぞれ異なった内容が記されている
こと。すなわち、「大国の日本が小国の倭国を併合した」(『旧唐書』)と「大国の倭
が小国の日本を併合した際に、その国号を奪った」(『新唐書』)の二説である。